【医師が解説】「水分をとっているのに熱中症?」その原因、実は「飲み物の選び方」にあるかも
2026年08月08日 18:42
連日の厳しい猛暑が続いていますが、皆様いまいちど熱中症対策はお済みでしょうか?
熱中症予防の基本は「こまめな水分補給」ですが、「何を飲むか」によってその効果は大きく変わります。汗をかいた体にただ水を飲むだけでは、かえって体内のミネラルバランスが崩れてしまうことがあるため注意が必要です。
この季節、『何を飲んだらいいですか?』と、患者さんからも質問いただくことが多く、今回は真夏の熱中症予防に本当におすすめな飲み物の種類と、それぞれの特徴についてお話しします。
1. 水分補給の基本:スポーツドリンク・経口補水液
運動時や屋外で大量に汗をかいたとき、あるいはすでに熱中症の初期症状(めまい・倦怠感など)がある場合に最適なのが、塩分と糖分が適切なバランスで配合された飲料です。
スポーツドリンク
特徴: 水分と適度な塩分、糖分が素早く吸収されるように設計されています。日常の外出や軽い運動時の熱中症予防に適しています。
注意点: 糖分が比較的多く含まれているため、日常的にガブ飲みすると糖分の摂りすぎ(ペットボトル症候群(ソフトドリンク・ケトーシス))になることがあります。
経口補水液(ORS)
特徴: 電解質(塩分など)の濃度が高く、脱水状態からの回復に特化した「飲む点滴」とも言える飲料です。
注意点: 塩分(ナトリウム)が多いため、高血圧や腎臓疾患などで塩分制限をされている方は、医師や薬剤師に相談の上でご利用ください。
2. 日常生活でのこまめな水分補給に:麦茶・ミネラルウォーター
特別な運動をしない室内での過ごし方や、日常の水分補給には、糖分の入っていない飲み物が基本となります。
麦茶
特徴: カフェインが含まれておらず、利尿作用がないため、就寝前や小さなお子様、妊娠中の方でも安心して飲める優れた熱中症対策飲料です。大麦由来のミネラル(カリウム・マンガンなど)も微量に含まれています。
ミネラルウォーター(硬水・軟水)
特徴: ピュアな水分補給に最適です。特にミネラルを少しでも補いたい場合は、マグネシウムやカルシウムが適度に含まれる中硬水〜硬水を選ぶのも一つの方法です(お腹が緩くなりやすい方は軟水がおすすめです)。
3. 注意が必要な飲み物
「水分をとっているつもり」でも、実は逆効果になってしまう飲み物もあります。夏場は特に以下のものに注意しましょう。
カフェインを含む飲み物(コーヒー・緑茶・紅茶など)
カフェインには利尿作用があるため、尿と一緒に水分が体外へ排出されやすくなります。水分補給のメインとしては不向きです。
アルコール(ビール・酎ハイなど)
「夏のビールは格別」ですが、アルコールには強い利尿作用があり、飲んだ量以上の水分が体から失われます。飲酒中の水分補給には、必ず「お水」を一緒に(Wの水)飲むようにしましょう。
糖分の多すぎる清涼飲料水・炭酸飲料
糖分の過剰摂取による「ペットボトル症候群(急性糖尿病)」のリスクがあるほか、吸収速度が遅くなるため熱中症対策としては効率が良くありません。
まとめ:シーンに合わせた飲み分けを
普段の生活・水分補給: カフェインレスの「麦茶」や「水」
汗をたくさんかいた時・外出時: 「スポーツドリンク」
強いだるさや脱水を感じた時: 「経口補水液」
暑さが本格化するこの季節、喉が渇く前の「先回り水分補給」を心がけて、健やかな夏を過ごしましょう。
当院では、体調不良のご相談はもちろん、日々の健康管理に関するアドバイスも行っておりますので、お気軽にご相談ください!
